在留資格の取消しとは、本邦に在留する外国人が偽りその他不正の手段により上陸許可の証印等を受けた場合や、在留資格に基づく本来の活動を一定期間行わないで在留していた場合などに、当該外国人の在留資格を取り消す制度です。在留資格を取り消す場合は,入管法の第22条の4第1項に規定されており,法務大臣は,次の各号に掲げるいずれかの事実が判明したときは,外国人が現に有する在留資格を取り消すことができます。
在留資格 | 該当例 | 在留期間 |
外交 | 外国政府の大使、公使、総領事等及び家族 | 外交活動の期間 |
公用 | 外国政府の大使館・領事館職員等及び家族 | 5年、3年、1年、3月、30日/15日 |
教授 | 大学教授等 | 5年、3年、1年、3月 |
芸術 | 作曲家、画家、著述家等 | 5年、3年、1年、3月 |
宗教 | 外国の宗教団体から派遣される宣教師等 | 5年、3年、1年、3月 |
報道 | 報道機関の記者、カメラマン | 5年、3年、1年、3月 |
高度専門職 | ポイント制による高度人材(1号・2号) | 1号5年、2号無期限 |
経営・管理 | 企業等の経営者、管理者 | 5年、3年、1年、4月、3月 |
法律・会計業務 | 弁護士、公認会計士等 | 5年、3年、1年、3月 |
医療 | 石、歯科医師、看護師 | 5年、3年、1年、3月 |
研究 | 政府関連機関や私企業等の研究者 | 5年、3年、1年、3月 |
教育 | 中学校、高等学校等の語学教師等 | 5年、3年、1年、3月 |
技術・人文知識・国際業務 | 機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者等 | 5年、3年、1年、3月 |
企業内転勤 | 外国の事業所からの転勤者 | 5年、3年、1年、3月 |
興行 | 俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手等 | 3年、1年、6月、3月、15日 |
技能 | 外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者等 | 5年、3年、1年、3月 |
技能実習 | 技能実習生 | 1年,6月又は法務大臣指定期間(1年以内) |
文化活動 | 日本文化の研究者等 | 3年、1年、6月、3月 |
短期滞在 | 観光客、会議参加者等 | 90日、30日又は15日以内 |
留学 | 大学、短大、専門学校、高校、中学、小学校の学生 | 4年3月,4年,3年3月,3年,2年3月,2年,1年3月,1年,6月,3月 |
研修 | 研修生 | 1年、6月、3月 |
家族滞在 | 在留外国人が扶養する配偶者・子 | 5年,4年3月~(留学と同じ) |
特定活動 | 外交官等の家事使用人、ワーキングホリデー、経済連携協定に基づく外国人看護士・介護福祉士候補者等 | 5年,4年,3年,2年,1年,6月,3月又は法務大臣指定期間(5年以内) |
永住者 | 法務大臣から永住の許可を受けた者 | 無期限 |
日本人の配偶者等 | 日本人の配偶者・子・特別養子 | 5年、3年、1年、6月 |
永住者の配偶者等 | 永住者、特別永住者の配偶者及び本邦で出生し引き続き在留している子 | 5年、3年、1年、6月 |
定住者 | 第三国定住難民、日系3世、中国残留孤児等 | 5年,3年,1年,6月又は法務大臣指定期間(5年以内) |
[ 法第19条の2 ]
就労資格証明書は、本邦に在留する外国人の就労を援助するもので、特定の職に就くことができることを証明する文書であり、既に取得している在留資格及び資格外活動許可に基づき法務大臣が発給するものです。
就労資格証明書の性格として、雇用側の雇用可否の判断を容易にする書面となります。
外国人雇用事業者は、在留カードにより就労が可能かどうか判断できますが、この就労資格証明書は、本来就労することに支障がない外国人について、就労することが可能な在留資格であることを証明し、雇用側の就労可能判断を容易にし、外国人の就労を援助するものです。これがないと就労できないというものではありませんし、雇用側も就労資格証明書がないからといって、不利益な取扱いをしてはいけません。
また、就労資格証明書の交付を受けておけば、在留資格変更を要しない転職の場合でも、あらかじめ在留資格に該当する業務であるかどうか、上陸許可基準のある在留資格の場合はその基準に適合しているかどうかを審査するので、在留期間更新時に不許可処分のリスク回避となり、スムーズに更新が許可されます。
就労資格証明書の交付対象者は、すべての在留資格が交付対象となりますが、元々、就労することができない在留資格の場合には、資格外活動許可を受けていることが条件となり、資格外活動許可を受けた者は「就労資格証明書」の交付対象となります。